第8回ヘルスケアベンチャー大賞

第8回ヘルスケアベンチャー大賞 最終結果

 

≪大 賞≫
OptimAlze Consulting株式会社
事業名:AIで健康寿命の延伸に貢献する医療AIプラットフォーム事業


≪学会賞≫
株式会社ドゥイブス・サーチ
事業名:無痛MRI乳がん検診「ドゥイブス・サーチ」


≪ヘルスケアイノベーションチャレンジ賞≫ (五十音順)
合同会社ASI
事業名:知覚入力型インソール® ―荷重感覚の教示により歩行の老化を抑制する事業

株式会社GET BACK
事業名:PCウェブカメラの顔映像だけで姿勢を推定する「背骨計」

シンバイオシス・ヘルスケアサポート株式会社
事業名:健腸ナビ FemCare(フェムケア)― 腸から始まる、女性の一生と家族の健康デザイン


総評:森下 竜一 日本抗加齢医学会理事長

森下 竜一

 審査では、各社とも技術やサービスの水準が高く、受賞企業を決定するまでに非常に難しい判断を要しました。最終的には再投票を行うほど意見が分かれ、どの企業が受賞してもおかしくない、非常に拮抗した審査となりました。
 今回、改めて重要だと感じたのは、優れた技術やサービスを、いかにビジネスとして成長させ、一般の方々に広く届けていくかという点です。技術が素晴らしいことはもちろん大切ですが、それだけでなく、多くの方々に利用していただくための仕組みや、導入しやすいビジネスモデルを構築することも重要です。本賞では、そうした点も含め、各社の取り組みを総合的に評価しました。
 惜しくも受賞を逃した企業の技術やサービスにも、それぞれ大きな可能性があります。今後、さらにビジネスモデルを発展させ、より多くの方々に活用される形で普及していくことを期待しています。
 また、今回の受賞企業の中には、学生の立場で起業に挑戦している企業もありました。日本の将来を考えると、若い世代が自らの力を発揮し、新たな事業に挑戦できる環境をつくることも大切です。そうした挑戦を評価し、成長を後押しすることも、本賞の意義の一つだと考えています。
 そして、事業をさらに成長させていくためには、ネットワークも非常に重要です。学会や協会、審査員、当日ご参加いただいた皆様方とのつながりもぜひ活用しながら、それぞれの事業を発展させていただきたいと思います。
 受賞された企業の皆様はもちろん、第8回ヘルスケアベンチャー大賞に挑戦してくれたすべての企業の皆様に、今後もそれぞれの技術やサービスをさらに発展させ、日本の医療・ヘルスケアの発展に貢献していただくことを期待しています。



受賞コメント

大賞(企業)

OptimAlze Consulting株式会社 代表取締役 関戸 隆
AIで健康寿命の延伸に貢献する医療AIプラットフォーム事業


 この度は栄誉ある大賞に選出していただき、誠にありがとうございます。実行委員・審査員の先生方、事務局の皆さまに御礼申し上げます。
 当社は、東京大学医学部出身のメンバーで2024年に設立したAIベンチャーです。製薬・保険・医療機器をはじめとするヘルスケア関連企業と、新規事業の開発や生産性向上のプロジェクトを一緒に進めています。
 国民医療費は年48兆円、GDPの約8%に達しています。医療そのものは医療従事者と医療機関が担っていますが、薬を早く、保険を広く、予防を日常にするためには、産業の側からのアプローチも欠かせないと考えています。当社は、医師でありエンジニアでもあるメンバーが顧客の判断の場に直接入り、AIプロダクトを開発し運用まで持っていくことで、医療の届き方に産業の側から貢献することを役割にしています。
 日本抗加齢医学会の知見と日本抗加齢協会の企業ネットワークに、当社の実装力を合わせていければと存じます。後方支援という形にはなりますが、日本の健康寿命の延伸に貢献してまいります。




学会賞

株式会社ドゥイブス・サーチ 代表取締役 高原 太郎
無痛MRI乳がん検診「ドゥイブス・サーチ」


 このたびは、第8回ヘルスケアベンチャー大賞において学会賞をいただき、心より御礼申し上げます。
 私たちが取り組んできたのは、MRIによる「痛くない乳がん検診」です。2004年に私が考案した全身がんスクリーニング法DWIBSを基に、2018年、30分かかっていた乳房MRIを15分に短縮し、検診で使えるようにしました。
 私は自らマンモグラフィを受け、女性が感じる圧迫感と痛みを身をもって知りました。肌を見せずに済むよう着衣でのMRI撮影法を考案し、正確に撮影できる専用検査着もつくりました。痛みをなくすことは甘えではありません。医療の進化だと考えています。
 成績は最近Cancers誌に掲載され、初回検診のがん発見率は1,000人あたり16.7人、陽性反応的中率は33.3%でした。直接比較ではないものの、従来のマンモグラフィ等(1,000人あたり3〜5人程度)と比べ有望と考えています。対象者の36.8%は、マンモグラフィ未経験の方でした。  現在、全国107病院で導入され、累計6万人の方が受診してくださいました。ただ、導入のない県がまだ9つあります。この受賞を機に多くの方に知っていただき、全国どこでも受けられるようになることを願っています。
 発表では触れませんでしたが、エルピクセル元社長の島原佑基氏が率いる「AI Dock」とも提携し、私が監修を務めています。DWIBSを含む全身MRI、血液検査、生活習慣のデータをAIが統合し、一人ひとりの「からだの物語」をナラティブAIレポートで届け、検査後もパーソナルAIが日々の健康に伴走します。痛みのない検査で小さく見つけ、AIで「受けて終わり」にしない。それが健康寿命をのばす次の予防医療です。
 研究者として歩んできた私にとって、本学会から賞をいただけたことは何よりの喜びです。森下竜一理事長、実行委員長の坪田一男先生をはじめ審査員の先生方、当日の運営を完璧に支えてくださったスタッフの皆様に、厚く御礼申し上げます。



ファイナリストの紹介

書類審査~1次審査を経て、企業5社が最終審査会へ出場するファイナリストに決定しました。

【ファイナリスト企業(プレゼンテーション順(敬称略))】

事業名:知覚入力型インソール®
―荷重感覚の教示により歩行の老化を抑制する事業

合同会社ASI / 長谷川 正哉(はせがわ まさき)

 合同会社ASIは、「感じる力で、身体と動きを整える」を掲げ、いつまでも若々しく健康的に歩きたい方に向け、歩行の質を高める技術を社会実装する県立広島大学発ベンチャーです。中核技術の知覚入力型インソール®(PSI)は、足裏の突起で荷重すべき位置を伝え、歩き方を学び直すツールです。足を外から支え、矯正するのではなく、本人の運動学習を引き出す点が特徴です。15年以上の研究を基盤に、歩容の改善や筋活動の増進などを確認し、国際誌への複数論文掲載、特許取得、製品化を実現しました。セミナーは専門職230名が受講し、教育・認定制度に加え、履物メーカーとの商品開発・評価・監修も展開しています。PSIにとどまらず、多様な履物へ知覚入力の設計思想を応用し、企業の製造・流通基盤を活かした普及を目指します。最終審査では、日常の履物を通じて若々しい歩行を世界へ届ける、日本発のアンチエイジング事業の可能性をお伝えします。

合同会社ASI / 長谷川 正哉(はせがわ まさき)

事業名:AIで健康寿命の延伸に貢献する医療AIプラットフォーム事業

OptimAlze Consulting株式会社 / 関戸 隆(せきど りゅう)

■事業・アイデアの内容
東京大学医学部出身者を中心とした医療AI開発会社です。保険・製薬・医療機器・CROを主な顧客に、AIによる業務効率化と新規事業の立ち上げを企画から実装まで担います
主なプロジェクト
・保険査定AI
・RWD×AIの創薬支援
・診療サポートAI
・認知機能維持アプリ

■アピールポイント
医療AIのトップティア人材を集め、大企業の重要度の高い課題に取り組む。このサイクルがすでに回り、黒字のまま急成長できる段階にあります。
・設立2期目で黒字化
・3期目は売上・利益ともに前期を大きく上回るペース
・体制は25名(パート・業務委託含む)

■最終審査への意気込み
10年後、この大賞で弊社を選んだことを、主催者の皆さまに誇っていただける会社になります。その第一歩として、最終審査に全力で臨みます

OptimAlze Consulting株式会社 / 関戸 隆(せきど りゅう)

事業名:PCウェブカメラの顔映像だけで姿勢を推定する「背骨計」

株式会社GET BACK / 橋本 功(はしもと こう)

 「背骨計(Spinometer)」は、PCのWebカメラ映像だけで脊椎の各部位の傾きをリアルタイムに推定する東北大学発のAIソフトウェアです。東北大学整形外科の現役脊椎外科専門医である私が直接実験を進めた、63万点の3D動作解析データに基づく推定原理はPLoS One誌に掲載されました。基本特許は日米で登録済みです。被曝・装着・専用機器なしで、いつものPC作業中の姿勢をそのまま計測できます。
 腰痛・肩こりは日本人の自覚症状の第1・2位でありながら、その発生源である職場の座り姿勢は測られてきませんでした。高輪ゲートウェイシティでの実証では、警告後約30分にわたり頭頚部角度が平均4〜8度改善することを確認しました。現在はブラウザ版も開発し、OSを問わず誰もが使える形に整えました。
 測れなかったものを測り、若い世代の姿勢から将来の脊椎変性・ロコモを防ぐ。最終審査では、脊椎外科医が自ら創る予防医療の未来像をお伝えします。

株式会社GET BACK / 橋本 功(はしもと こう)

事業名:健腸ナビ FemCare(フェムケア)― 腸から始まる、女性の一生と家族の健康デザイン

シンバイオシス・ヘルスケアサポート株式会社 / 村上 裕哉(むらかみ ゆうや)

 「女性の健康は、家族の未来につながる」。私たちは、女性がライフステージに伴う不調を「仕方ない」と抱え込み、自分の健康を後回しにしてしまう現状を変えたいと考えています。「健腸ナビ フェムライフ」は、日本人約27,000人のデータと特許技術を基盤に、腸内環境や疾患リスク指標を可視化し、一人ひとりに合った食事・セルフケアと再検査を通じて、継続的な健康づくりを支援する事業です。思春期から妊娠・出産、更年期、シニア期まで、女性の一生に寄り添い、自分の身体を知ることを日々の行動につなげる点が強みです。女性の前向きな変化を家族や次の世代へ広げ、健やかに、自分らしく人生を歩める社会を目指します。最終審査では大賞を目指し、研究成果を暮らしに根づくヘルスケアへと育てる決意を胸に、この未来の実現に全力で挑みます。

シンバイオシス・ヘルスケアサポート株式会社 / 村上 裕哉(むらかみ ゆうや)

事業名:無痛MRI乳がん検診「ドゥイブス・サーチ」

株式会社ドゥイブス・サーチ / 高原 太郎(たかはら たろう)

 乳がん検診は、痛みを我慢して受けるもの。そう思っていませんか。痛みをなくすことは甘えではありません。医療の進化です。
 無痛MRI乳がん検診「ドゥイブス・サーチ」は、私が2004年に考案したDWIBS法を応用し、造影剤も放射線も使わず、着衣のままうつ伏せで寝るだけの検診です。検査時間は従来の半分の15分。挟まない、脱がない、被ばくしない。日本人女性に多い高濃度乳房にも強い。いま全国100施設、累計6万件を超えました。爆発的普及に備え、トリアージ診断AIも開発。
 最近、意外な事実が分かりました。MRIは装置の値段としてはマンモグラフィよりも高額ですが、がんを1人見つけるまでのコストで比べると、実は約30%安いのです。私自身も驚きました。理由は当日お話しします。
 企業や自治体が検診を補助すれば、働き盛りのがんを小さく見つけて小さく治せます。検診を「怖いもの」から「毎年のあたりまえ」へ。それは健康寿命を延ばす社会革命だと信じています。

株式会社ドゥイブス・サーチ / 高原 太郎(たかはら たろう)





第8回ヘルスケアベンチャー大賞に向けて

 このたび、「第8回ヘルスケアベンチャー大賞」の募集を開始する運びとなりました。これまでの7回を通じ、年を追うごとに独創的で熱意あふれるご応募が増加しており、ヘルスケア領域におけるイノベーションの機運がかつてなく高まっていることを実感しております。

 本賞は、「アンチエイジングからイノベーションを!」をメインテーマに掲げ、人々の健康寿命(ヘルススパン)の延伸とウェルビーイングの実現を目指しています。超高齢社会の課題解決にとどまらず、AIやヘルスケアIT、ウェアラブルデバイスといった最新テクノロジーから、創薬、食品、各種サービスに至るまで、多角的なアプローチによる新たなビジネスモデルの誕生を我々は期待しています。

 第8回におきましても、受賞企業の皆様には「日本抗加齢協会認定スタートアップカンパニー」としての認定や資金調達の支援、そして「第27回日本抗加齢医学会総会」での発表機会などをご用意しております。

 独立したベンチャー企業の皆様はもちろんのこと、企業の新規事業部門や大学発の学内ベンチャーからのご参加も大歓迎です。社会実装を見据え、日本から世界の未来を切り拓く皆様の熱い挑戦を心よりお待ち申し上げております。

坪田一男

日本抗加齢医学会 イノベーション委員会
委員長
坪田 一男


開催概要

主催
日本抗加齢協会
共催
日本抗加齢医学会
後援
厚生労働省 経済産業省 日本医師会
三井不動産LINK-J読売新聞
協賛
株式会社ケアネット 太陽生命少子高齢社会研究所 バイオ・サイト・キャピタル株式会社 株式会社オールアバウト
スケジュール
[募集期間] 2026年5月7日(木)~7月25日(土) ※受付を終了しました
[書類審査] 2026年8月3日(月)~8月24日(月)
[ファイナリスト発表] 2026年9月7日(月)
[最終審査&ファイナリストによるピッチ]
日時 2026年10月23日(金) 15:00~17:00 / 懇親会17:00~18:00ごろ
会場 日本橋ライフサイエンスハブ
   (〒103-0022 東京都中央区日本橋室町1-5-5 室町ちばぎん三井ビルディング8階)

■特別講演
「VitalityからWaaS(Well-being as a Service)へ。  ウェルビーイング・エコシステム構築に向けた挑戦」
 藤本 宏樹 (住友生命保険相互会社 常務執行役員
 /一般社団法人WE AT 共同代表理事)
 藤本 宏樹



募集テーマ
アンチエイジングからイノベーションを!
アンチエイジング(抗加齢)・ヘルススパン(健康寿命)の視点から、
技術・サービス・ビジネスモデルを持つベンチャーや企業の新規事業を広く募集します。
生活習慣病の予防、老化による疾病予防、高齢者の自立、医療、介護、技術、
創薬、遺伝子治療、再生医療製品、食品、化粧品、AI、ヘルスケアIT、
ビッグデータ解析、ディープラーニング、ウェアラブルデバイス、環境など。


賞金
大賞:100 万円 学会賞:30 万円
ヘルスケアイノベーションチャレンジ賞:20 万円

副賞
ファイナリスト企業を「日本抗加齢協会認定スタートアップカンパニー」に認定します。
資金調達の支援(ベンチャーキャピタルの紹介)
製品やサービスの紹介(生活総合情報サイトAll About、ケアネット)
必要に応じて医学的な見地でのアドバイスや監修
大賞、学会賞受賞者は、「第27回日本抗加齢医学会総会」での発表(シンポジウム)
受賞企業に「第27回日本抗加齢医学会総会」の企業展示支援


実行委員会
【日本抗加齢医学会イノベーション委員会】

■委員長
坪田 一男 (株式会社坪田ラボ 代表取締役 CEO/慶應義塾大学名誉教授)

■副委員長
森下 竜一 (大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学寄附講座 教授)

■委員
井手 久満 (順天堂大学大学院医学研究科泌尿器科学 特任教授)
尾池 雄一 (熊本大学大学院生命科学研究部分子遺伝学講座 教授、 熊本大学医学部長)
小沢 洋子 (藤田医科大学東京 先端医療研究センター臨床再生医学講座アイセンター 教授)
佐野 元昭 (山口大学大学院医学系研究科器官病態内科学 教授)
新村 健 (兵庫医科大学内科学総合診療科 主任教授)
中神 啓徳 (大阪大学大学院医学系研究科健康発達医学寄附講座 教授)
江幡 哲也 (株式会社オールアバウト 代表取締役社長)
福田 伸生 (一般社団法人アカデミア発バイオ・ヘルスケアベンチャー協会 常務理事)
藤井 勝博 (株式会社ケアネット 代表取締役社長)


応募について

応募条件
企業
※ベンチャー企業のほか、企業の新規事業、社内や学内ベンチャーも可とします。

応募締切
7月25日(土)必着 ※受付を終了しました

応募先
5月7日(木)よりご応募いただけます 。
healthcare-v@anti-aging.gr.jp 宛てまで企業応募書式1、2を添えてメールにてご応募ください。

審査基準
(1) インベンション(新規性、独自性、実現可能性)
(2) コマーシャライゼーション(市場規模、収益性)
(3) 社会貢献性
の複合点で優劣を判定します。

選考・最終審査
書類選考でファイナリスト(5枠)を選出します。
最終審査でファイナリストはプレゼンテーションを行い、その場で最終選考ならびに受賞者を決定し、授賞式を行います。
書類選考の参考として、必要に応じ面談をさせていただく場合があります。
ファイナリストにはプレゼンに関するアドバイスをさせていただく場合があります。

最終審査会
■日時:2026年10月23日(金)15:00〜17:00
■会場:日本橋ライフサイエンスハブ
(〒103-0022 東京都中央区日本橋室町1-5-5室町ちばぎん三井ビルディング8階)

お問合せ先
ヘルスケアベンチャー大賞事務局(日本抗加齢協会内)
〒103-0024 東京都中央区日本橋小舟町6-3 日本橋山大ビル4F
TEL:03-5651-7503 e-mail:healthcare-v@anti-aging.gr.jp