第二回ヘルスケアベンチャー大賞

ご挨拶

 第2回ヘルスケアベンチャー大賞は、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっている中、昨年第1回を大きく上回る応募をいただきました。ご応募をいただきました各位へ心より御礼申し上げます。 

 言うまでもなく新型コロナウイルスの感染拡大によって日本経済は大きな打撃を受けています。

 あらゆる産業にイノベーションが求められ、ヘルスケア分野も同じです。世界システムの大きな変化にイノベーションを活発化させ、新しい世界に、新しいもの、ことの社会実装を進めなければなりません。

 日本抗加齢医学会と日本抗加齢協会では、ヘルスケアベンチャー大賞を通じて、ヘルスケア分野のイノベーション企業、人を応援したいと思います。 

 皆さん、是非最終審査にご参加いただき、ファイナリストのチャレンジを応援してください。

坪田一男

実行委員会委員長
日本抗加齢医学会イノベーション委員会委員長 坪田 一男

結果発表

第2回ヘルスケアベンチャー大賞

10月26日(月)15時~17時15分
第2回ヘルスケアベンチャー大賞 最終審査会をWEBで実施しました。
8組のプレゼンテーションを得て、厳正なる審査の結果、各賞が決定しました。

大賞


合同会社アントラクト
「StA²BLEによる転倒リスク評価と機能回復訓練事業」

学会賞


株式会社レストアビジョン
「視覚再生遺伝子治療薬開発」

ヘルスケアイノベーションチャレンジ賞


株式会社OUI
「Smart Eye Cameraを使用した白内障診断AIの開発」

株式会社 Surfs Med
「変形性膝関節症に対する次世代インプラントの開発」

歯っぴー株式会社
「テクノロジーで普及を拡張させる口腔ケア事業」

最優秀アイデア賞


松本 成史 旭川医科大学
「メンズヘルス指標に有効な新規「勃起力」計測装置の開発」

アイデア賞


佐藤 拓己
「寿司を食べながらケトン体を高く保つ方法」

松本 佳津
「長寿高齢社会を前提とした真に豊かな住空間をインテリアから考え、活用できる具体的な指標を作成する それは「豊かな人生」のデザイン」

総評


受賞された皆さん大変おめでとうございます。厳正な審査を経て今日のプレゼンテーションをご準備いただきました。

個人の部では、最優秀アイデア賞の旭川医科大学の松本成史先生は、確かな技術の上に、非常にユニークな発想のもとに、健康診断を届けるということで、多くの支持を得ました。

企業の部ですが、非常に僅差でした。レストアビジョンは 学会賞に相応しい良いプレゼンテーションでした。将来社会実装が期待されます。

大賞のアントラクト社は、ユニークなプレゼンテーションと立位年齢という新しい指標を打ち出し、これまでの抗加齢医学会の中でも考えていなかったことです。超高齢社会での簡単に転倒リスクを測れるということで多くの支持がありました。速い段階での社会実装を期待しています。

コロナの影響で開催が危ぶまれましたが、オンラインで実施ができましたのも、後援・協賛いただいた各機関、各社と今日オンラインを支えてくださった皆さんの協力で実現しました。ありがとうございました。

また第3回ヘルスケアベンチャー大賞でお会いしましょう。

ファイナリスト

 書類審査、1次審査を経て、以下8組が、最終審査会への出場するファイナリストに決定しました。(五十音順) 

(企業5社)
(事業の名称)
合同会社アントラクト
StA²BLEによる転倒リスク評価と機能回復訓練事業
株式会社OUI
Smart Eye Cameraを使用した白内障診断AIの開発
株式会社Surfs Med
変形性膝関節症に対する次世代インプラントの開発
歯っぴー株式会社
テクノロジーで普及を拡張させる口腔ケア事業
株式会社レストアビジョン
視覚再生遺伝子治療薬開発
 
 
(個人3名)
(アイデアの名称)
佐藤拓己(東京工科大学)
寿司を食べながらケトン体を高く保つ方法
松本成史(旭川医科大学)
メンズヘルス指標に有効な新規「勃起力」計測装置の開発
松本佳津(愛知淑徳大学)
長寿高齢社会を前提とした真に豊かな住空間をインテリアから考え、活用できる具体的な指標を作成する

ファイナリスト企業5社は日本抗加齢協会認定ベンチャーとなります。
ファイナリストには、今後個別に最終審査会までのご案内をさせていただきます。

ファイナリストの紹介

佐藤 拓己 Takumi Satoh

寿司を食べながらケトン体を高く保つ方法

抗老化分子として期待されるケトン体は、糖質を制限して、インスリンスパイクを抑制しない限り血中濃度は増加しない。
私は、消化管内で加水分解されてケトン体を放出する分子を用いて、糖質制限せずにケトン体を高く保つ方法を目指している。ポリヒドロキシ酪酸(PHB)は、ある種のバクテリアにエネルギー基質として蓄積され、哺乳類では、腸内細菌により加水分解されて大腸内でケトン体を放出する。ケトン体は大腸上皮から吸収されケトン体の血中濃度を増加させる。  PHBのアピールポイントは、インスリンスパイクの影響なしにケトン体濃度を増加させることにある。
すなわち糖質をいくら食べてもケトン体濃度を高く保つことである。
糖質制限は生理学の常識を一変させたが、その成果を多くの人々が共有するためには、ケトン体を直接食べることが必要だ。
最終審査会では、 「寿司を食べながらケトン体を高く保つ方法」を最短で実用化する方策を共に考えたい。 

松本 佳津 Kaz Matsumoto

長寿高齢社会を前提とした真に豊かな住空間をインテリアから考え、
活用できる具体的な指標を作成する それは「豊かな人生」のデザイン

コロナ禍は住まいの大切さを再認識することになり、全ての起点が住まいに変化してきている。体の健康、心の健康、そして大いなる安心感は身を守る住まいから。
「豊かな人生」のデザインには住まい、特にインフィルであるインテリアが重要だと誰もが気付き始めている。
約9割の方が自宅で最期までを望んでいる。その「豊かな人生」のデザインを医療のエビデンスとともに指標として示すことが、ひとりひとりの人生の充実に繋がる。さらにアンチエイジングの観点があれば最高。
長寿化のスピード世界最速の日本から発信する医療、環境、建築、デザインの連携によるコラボで作られる具体的な新たな指標こそ、「豊かな人生」のデザインバイブルとなる。ぜひご一緒に日本の未来、世界の未来を構築していきましょう。


松本 成史 Seiji Matsumoto

メンズヘルス指標に有効な新規「勃起力」計測装置の開発

加齢に伴う勃起不全(ED)は増加傾向で、EDと心血管イベント発生率は相関しており、男性の健康長寿の指標そのものとの考え方が認知されつつある。
EDを客観的に簡易評価出来る新規「勃起力」計測装置の開発は、アンチエイジングに資するメンズヘルス指標として重要で有効なツールになる。既存標準装置はセンサ本体やそれに繋がるループを陰茎や大腿部に装着し、各々を有線接続した計測装置である。
本課題は陰茎に嵌める環状構造物にその伸縮に応じて変位し、インダクタンスが変化するコイルと、そのコイルを発振要素とする可変周波数発振器を埋込装備し、無拘束的自己測定可能な時系列連続監視出来るウェアラブルデバイス新規「勃起力」計測装置であり、その基礎的実証は報告済みである(Advanced Biomedical Engineering. 2020;9;167-71)。
新規「勃起力」計測装置の開発でパラダイムシフトを起こしたい。

歯っぴー株式会社
プレゼンター 小山 昭則 Akinori Oyama

テクノロジーで普及を拡張させる口腔ケア事業

お口の不健康が全身の不健康につながるメタボリックドミノ((伊藤裕 日本臨床 61(10),1837-1843,2003-10))が提唱され、口腔環境が全身の健康に及ぼすことが知られるようになった。
歯っぴー社は、自分では分からない口腔内の状態をテクノロジーで可視化して、口腔ケアを充実させることでメタボリックドミノの進行を緩やかにするアンチエイジングの実現に貢献することができる。
歯磨きを高度化する歯垢・歯石ライトは、お口に光を照らすだけで口腔細菌である歯垢や歯石を赤く発光させ、目に視えない歯垢や歯石を簡易的に視ることができる機器を提供することで自宅での歯磨きを高度化する。
また、歯垢・歯石の先にある歯周病は自覚症状がなく、35歳以上の8割が罹患している病気である。スマホなどでリスクを予測するAI画像処理技術で、歯周病の早期治療に気づきを提供することができる。
歯っぴーは、口腔の健康をサポートすることによる全身の健康維持、アンチエイジングを実現させる。

株式会社 Surfs Med
プレゼンター 松﨑 時夫 Tokio Matsuzaki

変形性膝関節症に対する次世代インプラントの開発

変形性膝関節症は関節軟骨がすり減ることによって膝関節痛を呈する整形外科領域で最も多い疾患です。
我々の開発している変形性膝関節症に対する関節内インプラント製品は、厚みを持ったクッション性能を有するために損傷した軟骨を保護できる特徴を有している。人工関節よりも皮膚切開が小さく、低侵襲で回復の早い治療デバイスであり、軟骨治療の必要項目を網羅した治療法です。
変形性膝関節症の治療戦略に大きな変革をもたらすことが可能なデバイスです。膝関節の痛みがとれることで健康寿命を伸ばし、介護負担を減らし、安価であるため医療費の削減も期待できる。
膝の痛みで日常生活のアクティビティ及び生活の質(QOL)が低下している高齢者が、心も体も”ごきげん”に過ごせることを目指している。
本コンテストでは今年スタートしたばかりの本社の事業をアピールする良い機会だと考えており、多くの賛同者を得たいと思います。

株式会社OUI
プレゼンター 清水 映輔 Eisuke Shimizu

Smart Eye Cameraを使用した白内障診断AIの開発

弊社創業者メンバーで開発したSmart Eye Camera(SEC)による眼科診断AIと遠隔診療を活用した新しい眼科診療モデルの構築と提案が本コンテストの応募テーマ。
SECは現役眼科医が診療現場で感じた課題解決の為に、自ら発案し、ゼロから開発を行った、眼科診察ができるスマホアタッチメント型医療機器。スマホのカメラと光源を利用し既存の医療機器と同等の性能を実現した。
現在、SECと連携した眼科遠隔診療やSECで取得可能なビッグデータを活用し、眼科診断 AI 搭載のアプリケ―ションを使用した新しい眼科診療モデルの開発・実証を行っている。
世界の医師不足と医療機器不足を解決し、日本国内及び開発途上国・新興国における予防可能な失明と視力障害の根絶に寄与することを目指している。
2025年までに世界の失明を50%にし、失明のない世界を作っていきます。よろしくお願いします。

株式会社レストアビジョン
プレゼンター 堅田 侑作 Yusaku Katada

視覚再生遺伝子治療薬開発

我々は、慶應義塾大学医学部と名古屋工業大学の研究成果を基に、失明難病である網膜色素変性症に対する視覚再生予防遺伝子治療薬の開発を目指します。
本邦の視覚障害の原因の第2位を占めるのが、網膜色素変性症と呼ばれる、未だに予防法も治療法もない厚生労働省の指定難病です。
これは遺伝性疾患であり、加齢によって病態が進行する加齢性疾患でもある。我々のコア技術は「キメラロドプシン」という、2種のタンパク質をハイブリッドさせることで視覚再生に最適化した光センサータンパク質。これをコードする遺伝子を失明した網膜に導入することで、患者さんの眼に光を取り戻すとともに、疾患の進行を抑制することができる独自の技術になる。投与方法も手術不要で簡便かつ低侵襲な眼内注射という手法で、競合技術に比べて高い優位性がある。
この発表を通じて、眼の見えない老後に抗う本治療薬開発の魅力と必要性をお伝えできればと思います。

合同会社アントラクト
プレゼンター 島 圭介 Keisuke Shima

StA²BLEによる転倒リスク評価と機能回復訓練事業

超高齢社会と呼ばれる日本において,要介護状態になる原因の一つに転倒がある. 転倒を予防し自律した生活を送ることは,アンチエイジングの実現のためには欠かすことはできない.しかし個人が抱える転倒のしやすさ=転倒リスクの評価を効果的かつ客観的に,さらに安価な装置によって実現する方法論は未だ確立されていない.
我々が開発したStA²BLEは指先への感覚刺激の制御によって,世界で初めて転倒リスクの可視化を実現している.これは, 世界中の検診を進化させる革新的な技術であり, StA²BLEを普及させて転倒リスクを知り,機能にあわせた適切な訓練を提案することで,全世界の人々の平均健康寿命を引き延ばすことができる新しい未来が拓けると確信している.
平均寿命の延伸はひいては高齢者の労働力の確保,医療費の削減につながり,社会に大きく貢献できる. StA²BLEこそ転倒事故ゼロの社会を目指す世界でただ1つの方法論となりうる.

最終審査会

 最終審査会は以下の通り開催いたします。参加はどなたでも可能ですが、事前に登録をお願いします。

日時
2020年10月26日(月)15時~17時
会場
WEB開催
スケジュール
1.実行委員長挨拶
2.本日の進行についての説明
3.ファイナリストによるプレゼンテーション
  企業 1チーム 10分、個人 1名 7分
4.特別講演
「イノベーションの創造と拡大の方法」

武藤 真祐武藤 真祐
医療法人社団鉄祐会理事長
株式会社インテグリティ・ヘルスケア代表取締役会長
株式会社地域ヘルスケア連携基盤代表取締役会長
Tetsuyu Healthcare Holdings Pte Ltd. Co-founder & Director

2016年よりオンライン診療システムYaDocの開発・普及へ取り組む株式会社インテグリティ・ヘルスケアの代表取締役会長に就任。2017年より株式会社地域ヘルスケア連携基盤の代表取締役会長に就任し、現在は2つの病院(合計300床)と80の薬局を経営している。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科臨床教授、藤田医科大学医学部客員教授、日本医療政策機構理事、一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ理事、一般社団法人Medical Excellence JAPAN インバウンド委員会 委員長。2015年第2回イノベーター・オブ・ザ・イヤー受賞。2019年度 第29回武見奨励賞受賞。

5.審査結果発表と各賞表彰式
  大賞  100万円
  学会賞 30万円
  ヘルスケアイノベーションチャレンジ賞 20万円
  最優秀アイデア賞 15万円
  アイデア賞 10万円
6.審査委員長より総評
7.閉会の挨拶
最終審査会参加登録はこちらから

参加はどなたでも可能です。 事前参加の登録が必要です。登録された方には、開催までに参加のURLを個別にお送りします。

開催概要

主催
日本抗加齢協会
共催
日本抗加齢医学会
後援
厚生労働省 経済産業省 日本医師会
読売新聞社三井不動産LINK-J
協賛
株式会社ケアネットバイオ・サイト・キャピタル株式会社株式会社オールアバウト
スケジュール
[募集期間] 2020年7月27日(月)
[書類審査] 2020年8月7日(金)~24日(月)
[1次審査] 2020年8月27日(木)
[ファイナリスト発表] 2020年9月1日(火)
[最終審査] 2020年10月26日(月)15:00〜17:00 WEB開催
募集テーマ
アンチエイジングに資するヘルケア分野のビジネスプラン/アイデアを広く募ります。
生活習慣病の予防、老化による疾病予防、高齢者の自立、医療、介護、技術、
創薬、遺伝子治療、再生医療製品、食品、化粧品、AI、ヘルスケアIT、
ビッグデータ解析、ディープラーニング、ウェラブルデバイス、環境など
賞金
大賞:100 万円 学会賞:30 万円
ヘルスケアイノベーションチャレンジ賞:20 万円
最優秀アイデア賞:15 万円 アイデア賞:10 万円
副賞
ファイナリスト企業を「日本抗加齢協会認定スタートアップカンパニー」に認定します。
起業支援サービス
大学発新産業創出プログラム(START)への推薦
製品やサービスの紹介(生活総合情報サイトAll About、ケアネット)
必要に応じて医学的な見地でのアドバイスや監修
実行委員会
【日本抗加齢医学会イノベーション委員会】
■委員長
 坪田 一男(慶應義塾大学医学部眼科学教室 教授)
■委員
 堀江 重郎 (順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学 教授)  
 森下 竜一 (大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学 教授)  
 新村 健 (兵庫医科大学総合診療科 主任教授)
 尾池 雄一 (熊本大学大学院生命科学研究部・医学系総合医薬科学部門 代謝・循環医学講座分子遺伝学分野 教授)
 中神 啓徳 (大阪大学大学院医学系研究科健康発達医学講座教授)
 佐野 元昭 (慶應義塾大学循環器内科 准教授)
 古家 大祐 (金沢医科大学糖尿病・内分泌代謝内科 教授)
 江幡 哲也 (株式会社オールアバウト 代表取締役社長)
 福田 伸生 (バイオ・サイト・キャピタル株式会社 専務取締役)
 藤井 勝博 (ケアネット株式会社代表取締役社長)
審査委員会
■委員長
 堀江 重郎(日本抗加齢医学会理事長)
■委員
 産官学の有識者8名により審査を行います。

応募について

応募条件
企業、団体、個人
※企業の場合は、ベンチャー企業のほか、企業の新規事業、社内ベンチャーも可とします。
※個人の場合は、日本抗加齢医学会会員または、日本抗加齢協会賛助会員社に所属する者とします。まだ会員となっていない場合は、応募前にご入会をお願いします。
※アイデア賞は個人のみとします。     
応募について
応募様式1.2.をダウンロードし、必要事項を記載してご応募ください。
この様式ファイル以外にパワーポイント形式またはPDF形式のプレゼン資料を添付いただいても結構です(様式自由)。
ただし、応募様式を含めて10MB以下に収めてください。(分割での送信やファイル転送サービスを利用した応募はしないで下さい)。
募集期間
7月27日(月)をもって受付を終了いたしました。
多数のご応募誠にありがとうございました。
応募先
電子メールに応募資料を添付して、下記へ送信してください。
ヘルスケアベンチャー大賞事務局 healthcare-v@anti-aging.gr.jp
件名:「第2回ヘルスケアベンチャー大賞 応募(応募企業/団体名または個人名)」
応募書式1
応募情報
(1) 応募枠
(2) 応募者情報
(3) 担当者情報
(4) ビジネス情報/アイデア情報
応募書式2
ビジネスプラン
(1) 本件応募ビジネスの説明
(2) 応募者の実績
(3) 研究開発の業績
(4) 研究開発・製品開発の体制
(5) 支援ニーズについて
※アイデア部門は、事業プランは一切問いません。
審査基準
について
(1) インベンション(新規性、独自性、実現可能性)
(2) コマーシャライゼーション(市場規模、収益性)
(3) 社会貢献性
の複合点で優劣を判定します。
選考・最終審査
について
書類選考でファイナリスト(企業 5枠/個人 3枠)を選出します。
最終審査でファイナリストにはプレゼンテーションを行い、その場で最終選考ならびに受賞者を決定し、授賞式を行います。
書類選考の参考として、必要に応じ面談をさせていただく場合があります。
ファイナリストにはプレゼンに関するアドバイスをさせていただく場合があります。

お問合せ

問合せ先
ヘルスケアベンチャー大賞事務局(日本抗加齢協会内)
〒103-0024東京都中央区日本橋小舟町6-3 日本橋山大ビル4F
e-mail:healthcare-v@anti-aging.gr.jp
TEL:03-5651-7503
※審査に関するついてのお問い合わせには応じられません。

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第1回ヘルスケアベンチャー大賞 報告

坪田一男
イノベーション委員会委員長
坪田 一男

今回は念願の第1回ヘルスケアベンチャー大賞が大成功に終わったので、その報告である!堀江理事長になって2017年に抗加齢医学会にイノベーション委員会ができた(表1)。

 表1:日本抗加齢医学会イノベーション委員会名簿
【イノベーション委員会】
■委員長
 坪田 一男(慶應義塾大学医学部眼科学教室 教授)
■委員
 堀江 重郎 (順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学 教授)
 森下 竜一 (大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学 教授)
 木下  茂 (京都府立医科大学特任講座感覚器未来医療学 教授)
 佐野 元昭 (慶應義塾大学医学部循環器内科 准教授)
 満尾  正 (満尾クリニック 院長)
 新村  健 (兵庫医科大学総合診療科 主任教授)
 古家 大祐 (金沢医科大学糖尿病・内分泌代謝内科 教授)
 江幡 哲也 (株式会社オールアバウト 代表取締役社長)
 福田 伸生 (バイオ・サイト・キャピタル株式会社 専務取締役)

この委員会では抗加齢医学の中からイノベーションを起こし産業化を学会としても推進していきたいとの思いからあらたに作られた委員会だ。ご存じのように現在の保険医療の中で良い医療をすればするほど外貨が流出する。図1)

 図1:医薬品医療機器貿易赤字推移

 ある日の外来を見てみよう。前日角膜移植と白内障の同時手術をした。患者様は大喜び。今まで見えなかった目が見えるようになり、“坪田先生、ありがとうございます。これで日常生活が送れるようになります”と感動である。医師である僕もとってもうれしい。医者になった甲斐があった!!目の前の患者様を最高の医療によって治療し喜ばれた。こんな素晴らしい場面はない。でもここに問題がある。僕の使った手術顕微鏡はドイツのツァイス社製、角膜はアメリカアイバンクからの輸入、使った眼内レンズはアメリカのAMO社製、白内障手術装置はアルコン社アメリカ製だ。世界最高の医療を行うには海外のものを使うしかなく、それによって外貨が流出するのだ。

 すなわち日本の医療の競争力が世界に対してまだまだ足りない。日本全体では図1のように医薬品で3兆円、医療機器で1兆円の輸入超過となっている。合計4兆円。これだけの外貨を他の産業で取り戻すことは大変なことだ。自動車産業以外で4兆円の輸出額をもっている産業自体が育っていない。さてアンチエイジング医学の領域でもこのままいくと日本は同じことになりかねない。世界で一番長寿なごきげんな国のアンチエイジング医学を行うことによって、抗加齢医学会の先生方が良い診療を行うことによって貴重な外貨が失われていくのはぜひ避けたいところである。むしろアンチエイジング医療産業が日本で花開くことによって日本発のアンチエイジング医学が世界で使われ、世界の人をごきげんにして、それによって外貨をかせいでゆく。これがあるべき姿ではないであろうか!なので今坪田はイノベーションに燃えている!微力ながらお役にたちたいと考えているのだ。 なんとかこの状態を打開したい!日本の健康産業、医療が外貨を逆に稼げるようにしていきたい!

日本政府もさまざまな法律を整備

次世代の産業を作るためにはアカデミアの力も必要だとの認識から政府は学校教育法を2015年に変更し大学の責務に教育と研究に加えてイノベーションを追加した(図2)。従来から大学の責務は教育と研究であったが、そこにイノベーションが加わった。

 図2:2015年に改正された学校教育法

 大学で行われた研究もいち早く社会に届けることによって産業につなげようという考えである。この法律は学校にかぎられているが、広く考えればアカデミアすべての力を使って次世代産業を作りたいとの基本的な考えだ。アカデミアは大学ばかりではない。学会も大切なアカデミアの一翼を担っている。

 特に我々の抗加齢医学会は進取の気概にとんだ8500名もの会員を有するアンチエイジング関連トップの学会である。自分も含めてユニークな先生がたくさんいるのが魅力であり強みである!毎年行われる総会の発表にはきらりと光るものも多く、産業の芽になるものもたくさん含まれている。特にこれからの時代はサイエンスをすべて大学にまかせる時代は終わり、インターネットの普及やビッグデータソースのアクセスの広がりなど知のオープン化によって開業の先生の卓越したアイデアが大切な時代になってきている。

 そこで学会理事会ではイノベーション委員¬¬¬会を立ち上げて、抗加齢医学会から社会の変革を起こせるようなイノベーションを育てていこうということになった。特に副理事長の森下竜一先生は2000年初頭から大学発ベンチャーを日本で初めてスタートし、イノベーションを起こしきた先駆者だ。経験も深い。ここにみんなで学ばない手はない!今まさにアンチエイジング医学とイノベーションという画期的な組み合わせから新しい時代がやってこようとしているのだ。

第1回ヘルスケアベンチャー大賞

イノベーション委員会では学会の先生方にイノベーションの重要性や可能性を理解していただくのにどのような活動がいいか検討した。WEB上でのイノベーション講演会や、イノベーションに特化した講習会などさまざまな意見が出たが全員一致で賛成したのが“ヘルスケアベンチャー大賞”をやろうということだった!アンチエイジングの領域の中のさまざまなシーズをもとに新しい可能性を拓き、社会課題の解決につなげていこうという試みだ。新しいベンチャー企業や個人からアイデアをもとにビジネスプランを出したもらいこれを評価し表彰するというものだ。実行委員長を坪田が行い、審査委員長を堀江重郎理事長におねがいした。また主催は抗加齢協会として学会と共催として盛り上げていこうとなった。実務は森下竜一先生の紹介でバイオ・サイト・キャピタルの福田伸生さんと事務局の中村智子さんが担当してくれることになった。この二人がいなければヘルスケアベンチャー大賞はできなかった。この場を借りてあらためてお礼申し上げたい。 何人が応募してくれるかと心配していたがおかげさまで26件の応募があり活況となった。 厳粛な審査のもと会社部門から3社、個人部門から3名が選ばれた(表2)。

 表2:第1回ヘルスケアベンチャー大賞 ファイナリスト(各分野 五十音順)
<企業の部>
 アンチエイジングペプタイド株式会社
  事業内容:機能性ショートペプチドによる化粧品材料の開発
 株式会社イグニス
  事業内容:バーチャルリアリティー(VR)を利用した慢性疼痛の緩和コンテンツの開発
 株式会社レストアビジョン
  事業内容:加齢によって進行する網膜色素変性症の遺伝子治療薬開発
<個人の部>
 小橋 英長
  事業内容:緑内障患者が自己測定可能な簡易型眼圧計(医療機器)の開発
 武田 朱公
  事業内容:スマート端末の顔認証機能を利用した認知機能の簡易スクリーニング法開発
 藤澤 昌司
  事業内容:認知症予防につながる嗅覚機能の回復機器を開発

ファイナルに残った会社部門3社と個人部門3名の事業内容。
それぞれユニークなビジネスモデルを考えて応募してくれた

詳細は表をご覧いただきたい。それぞれ化粧品、疼痛緩和、視覚再生など大変ユニークな製品を作っている。個人部門でも簡易眼圧計の開発、簡易認知機能スクリーニング、匂いでアンチエイジングなどユニークなものばかりであった。これらの合計6チームが先日の第19回抗加齢医学会最中に行われた最終選考会で競い合ったのである。森下竜一先生の司会のもと、各チームがすばらしい発表を行い(写真1)、審査中には経済産業省政策統括調整官の江崎禎英(えざきよしひで)さんの画期的な特別講演が行われた。

 写真1

ヘルスケアベンチャー大賞ファイナルプレゼンテーションの様子。
森下竜一先生司会のもとに6人が素晴らしい発表を行った。

江崎さんの講演はいつもおもしろいが、今回も人生120年時代の新しい考えかたを披露してくれて本当に勉強になった。みなさまも機会があったら江崎さんの講演を一度はお聞きすることを勧める。

最終結果の発表

さて最後に大賞にえらばれたのは機能性ショートペプチドを開発しているアンチエイジングペプタイド(株)と認知機能スクリーニングを開発した大阪大学の武田朱公先生だ(写真2)。詳細を各人から報告してもらったので読んでほしい。あらためておめでとう!このような素晴らしい応募が初回から多数寄せられたことにとても感謝している!これらのアイデアが社会のイノベーションを起こしていけば抗加齢医学の未来も明るい!

 写真2:ヘルスケアベンチャー大賞優勝者の審査委員と優勝者を囲んで。

未来に向けて

 あらためて第1回のヘルスケアベンチャー大賞の報告ができることをうれしく思う。20年前に本日本抗加齢医学会ができて新しい医学が生まれつつあるのを強く感じたのを思い出す。いまアンチエイジングのサイエンスが花開き、これから社会実装されていく時代がやってくる。現在までの病気になってから治療を行うという国民皆保険システムだけでは(これは素晴らしいシステムなので全力で残していくべきだが)、経済も破綻するし患者様もごきげんじゃない!やはり予防医学が大切だ!特に加齢に焦点を当てた予防医学の王様である抗加齢医学が中心になっていくと思うのだ。それを大きな流れとして社会に届けるイノベーションが必要だ!イノベーションはいくらアイデがよくても起こせない。どうやって新しい健康医学を社会に届けるかの勝負が始まっている。これから海外のアンチエイジングシステムを導入するばかりでなく、日本独自のアンチエイジングイノベーションが必要だ。そして日本のアイデア、日本の新しいビジネスモデルで世界を若く健康にし、加齢関連疾患を激減させ、アンチエイジング医学によって日本が外貨を得ていけるようになっていったらいいと強く感じている。来年も第2回ヘルスケアベンチャー大賞を開催予定である。どうぞ皆様引き続きご支援よろしくお願いします。


第1回ヘルスケアベンチャー大賞 受賞

アンチエイジングペプタイド株式会社 代表取締役社長 橋弥 尚孝

この度は、栄えある第1回ヘルスケアベンチャー大賞に選んで頂き、誠に有難うございます。
弊社は、ペプチドを用いて健康で幸せな生活を目指す事を目的としております。
起業のきっかけは、血管新生に関連する新規分子をスクリーニングする中で、新規配列のペプチドAG30を同定した事に始まります。機能解析を進めていくと血管新生作用のみならず、広範な抗菌作用、線維芽細胞活性化作用、免疫応答作用など多彩な機能を有していることが分かりました。これらは創傷治癒に適した作用であることから、当初は創傷治療薬開発を目指した取り組みを開始しましたが、この配列を改変することによる、他分野への応用にも取り組みました。
実際商品化するにあたっては、コストは重要な要素となりますが、アミノ酸配列を短くすることにより、顕著なコストダウンが可能となります。その為に徐々に配列を短くし、検証を行いました。興味深いことに、配列を改変することにより、抗菌活性や線維芽細胞活性化作用の活性バランスが変わることがわかり、それぞれの機能を高めたペプチド作成が可能となりました。そして、創傷治癒目的から化粧品としての利用可能性を探る事に目標を変換し、更に短いペプチドにして線維芽細胞活性化作用が残ったペプチドOSK-9を作成するに至りました。
 OSK-9はヒアルロン酸やコラーゲンの産生増加作用も有しております。実際、シート化した浮遊培養線維芽細胞にOSK-9を添加すると、シートの収縮が確認されました。これは、肌を引き締めてハリを持たせる上で有益な作用であると考えられます。 現在OSK-9は化粧品会社のアルビオンのエイジングケア商品であるアンフィネスシリーズにご利用頂き、高評価を得ております。
 今回ベンチャー大賞候補であった株式会社イグニスのバーチャルリアリティー(VR)を利用した慢性疼痛の緩和コンテンツの開発、株式会社レストアビジョンの加齢によって進行する網膜色素変性症の遺伝子治療薬開発のいずれもが、とても興味深い内容であり、弊社が大賞を頂けた事は幸運だと思っております。
 現在大学を含め様々な研究施設に、起業に値するseedsは多くあると思いますが、研究者単独でビジネスに成功する事は困難です。このヘルスケアベンチャー大賞をきっかけに、多くの既存企業から多くのseedsに注目が届き、多くのseedsが消費者のために花咲く事を願っております。


第1回ヘルスケアベンチャー大賞 学会賞受賞

武田 朱公 大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学寄附講座准教授

 この度は第1回ヘルスケアベンチャー大賞選考会にて学会賞に選出して頂きましたこと、心より御礼申し上げます。
 高齢化に伴う認知症の増加は様々な形で社会に負担を強いており、その対応は待ったなしの状況にあります。認知症の根本的治療法は未だ確立されていませんが、最近の臨床研究から、早期に発見し適切な介入を行うことで認知症をかなりの程度予防できることが明らかになってきました。生活習慣病の治療や運動療法などにより、認知症の発症リスクを確実に減らせることが分かってきています。
 認知症発症予防を効果的に行うためには、まずは認知機能の低下を早期の段階で発見することが重要になります。しかしながら現状、このステップが上手くっていません。最大の問題は、スクリーニングに使えるような簡便な認知機能評価法が存在しない点にあります。通常は紙ベースでの質問形式の認知機能検査を初期評価として行いますが、検査に時間がかかり、心理的ストレスも大きく、スクリーニング的に施行するには難点があります。
 この問題を解決するため、私共は視線検出技術を利用した全く新しい認知機能評価法を開発してきました。「目の動き」を利用することで、映像を眺めるだけで被験者の認知機能を定量的に測定するというシステムです。タスク映像を眺める視線の動きを記録し解析することで、従来の認知機能検査の精度に匹敵するスコアが得られるようになっています。
 このシステムは応用範囲が非常に広く、大きな可能性があると考えています。健康診断で認知症のスクリーニングを行ったり、最近問題になっている認知症患者の運転免許の適正検査などにも使用できる可能性があります。誰でも簡単に認知機能をチェックできるため、脳の健康状態の維持や認知症予防に活用することが出来ます。また本システムは言語の介在をあまり必要としないため、言語の壁を越えやすく、グローバル展開も可能です。私自身、認知症患者の診療に日々携わっていますが、このシステムは認知症医療に非常に大きなメリットをもたらすと確信しています。
 またこのことは、大きなビジネスチャンスにも繋がると考えています。応用範囲が広範であるため、様々な形でのビジネスが可能です。グローバル展開も視野に入れた準備を進めている段階です。今回、学会賞に選出して頂き、またご支援を賜りましたことは、今後のベンチャー企業に向けて大きな弾みとなります。この賞を頂いたことを励みにして、今後も研究開発とビジネス展開に向けて益々頑張っていきたいと思っております。


医学会からイノベーションを

坪田一男

 イノベーションは「科学的発見や技術的発明を洞察力と融合し発展させ、新たな社会的価値や経済的価値を生み出す革新」と定義付けられています。

 各国がイノベーション政策を掲げ世界的に競争が激しくなっている中で、わが国の国際競争力を維持・発展させていくためには新技術の創造・育成を図り、優れた研究成果を効果的にイノベーションに次々とつなげていくことが重要で、そのために産学官が一体となってイノベーションを生み出すシステムを強化する必要があります。

 そこで、抗加齢医学会もイノベーションに協力をしようと、抗加齢医学会のシーズをもとに新しい可能性を開き、社会的課題の解決の貢献に結び付けようと、イノベーション委員会を立ち上げました。

 「健康・医療におけるイノベーションとは何か」抗加齢医学会の中では、抗加齢医学というものがビジネス化することによってヘルスケアイノベーションを作れると理解しています。

 20世紀は空間を移動する時代。車ができて、飛行機ができて、そこに人類は価値をみいだしましたが、21世紀は時間舳をいかに上るか健康で長く生きるかに価値がシフトしていると思います。
その時にアンチエイジングというのはすごく重要で、産業のシーズになり得、創薬にとってもすごく重要だと思っています。

 国の政策とも載せ、競合して色々と新しい価値を作っていく。ユニークな価値をつくっていく。抗加齢医学会も何かできるはずです。 世界的にみても寿命が長く、先進国の中でも著しく高齢化が進む日本だからこそ、世界に発信できるイノベーティブなものが生まれることを期待しています。

 前人未踏ですが、ロールモデルにるような事業になればと考えています。

 会員の皆様には、多くのご応募をお待ちしています。

イノベーション委員会
委員長 坪田 一男 

ファイナリスト

この度、第1回ヘルスケアベンチャー大賞への応募事業のうち、医学会からの挑戦者を応援しようという本表彰の趣旨を踏まえて、書類選考を経て様々な観点から厳正な審査を行った結果、企業応募から3件、個人応募から3件をファイナリストに選出しました。

ファイナリストには、6月14日(金)15時30分から、パシフィコ横浜(横浜市)イベントホールAの特設会場において、最終審査においてプレゼンテーションと、第19回日本抗加齢医学会総会企業展示ブースにおいて、事業内容の展示を行っていただきます。

ファイナリスト(各分野 五十音順)

<企業の部>
 アンチエイジングペプタイド株式会社
  事業内容:機能性ショートペプチドによる化粧品材料の開発
 株式会社イグニス
  事業内容:バーチャルリアリティー(VR)を利用した慢性疼痛の緩和コンテンツの開発
 株式会社レストアビジョン
  事業内容:加齢によって進行する網膜色素変性症の遺伝子治療薬開発

<個人の部>
 小橋 英長
  事業内容:緑内障患者が自己測定可能な簡易型眼圧計(医療機器)の開発
 武田 朱公
  事業内容:スマート端末の顔認証機能を利用した認知機能の簡易スクリーニング法開発
 藤澤 昌司
  事業内容:認知症予防につながる嗅覚機能の回復機器を開発

是非会場で、ファイナリストたちのプレゼンテーション、展示ブースでの事業紹介をご覧ください。

多くの皆様の来場をお待ちしています。

プロジェクトの推進に向けた熱い想い

坪田一男

坪田 一男
ヘルスケアベンチャー大賞実行委員長/日本抗加齢医学会イノベーション委員会委員/慶應義塾大学医学部眼科学教室教授
森下竜一

森下 竜一
日本抗加齢協会副理事長/日本抗加齢医学会副理事長/大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学寄附講座教授
福田 伸生

福田 伸生
バイオ・サイト・キャピタル株式会社 専務取締役/ヘルスケアベンチャー大賞事務局

福田 本日はお忙しい中、お時間を割いていただき、ありがとうございます。
いよいよ「医学会からイノベーションを」と標榜してヘルスケアベンチャー大賞の募集を開始することとなりました。坪田先生は慶應義塾大学でも健康医療ベンチャー大賞に関わっていらっしゃいますね。

坪田 はい、「慶應医学部からベンチャー100社創出」を旗印に掲げてスタートしました。今年第3回を開催しますが、運営には学生たちが積極的に関わっています。健康医療に関わるベンチャー企業やこれから起業しようという学生・院生・社会人の方々から幅広く応募いただいていますが、良い意味で大学という舞台装置が上手く働いているかなと感じています。 そこで、大学ではなく、医学会だったらどんなイノベーションが起こせるかなと思ったわけです。

福田 それで、森下先生に持ち掛けた?

森下 はい、持ち掛けられました。

坪田 森下先生は、イノベーションの体現者ですから。

森下 イノベーションにもいろいろあると思いますが、過去の延長ではなく非連続であるという意味では、医師でありながら起業してIPOもするという経験はそうかもしれませんね。当時は、今ほどはモダリティの多様化が言われていない時代でしたから、遺伝子治療を事業化しようと考える人間はかなりイノベーターだったかもしれません(笑)。

坪田 疾患メカニズムの解明も進んでいますが、治療法も様々な範疇のものが開発されています。今後は医療の世界にもAIなどの新しい技術がどんどん入り込んでくるでしょう。

森下 AIもIoTもヘルスケアの分野では必須のツールになっていくと思います。それらの進歩を取り込むことで、イノベーションを以前よりも起こしやすくなっているでしょう。でも、ただ起業すれば良いという訳ではないと思います。ビジネスとしてやるだけの魅力が必要です。今の時代は、起業をしても新しいことにどんどん挑戦していかないと、社員が面白くないと言って辞めてしまうそうです。だから、経営も大変です。既に起業された方々も日々新たな事業に挑戦しているのではないかと思いますが、それも今回のコンテストの募集対象ですよね。

坪田 はい、そうです。慶應ではベンチャー創出を目標にしました。若い人たちに挑戦してほしかったのと、サポートする周りの人たちを増やして巻き込みたかったから、分かり易い目標を立てました。しかし、今回のヘルスケアベンチャー大賞においては、アンチエイジングという大命題がありますから、それこそモダリティは問いません。IoTでもAIでも構いませんし、ベンチャーと名前に入っていますが、起業にはそれほどこだわりません。応募下さったビジネスプランをinvention 、commercialization、社会貢献の3点から評価してファイナリストを選び、最後はピッチ形式で大賞を競ってもらいます。だから大企業の中の新規事業でもウエルカムです。

森下 でも、今までの自分たちのビジネスを覆すくらいでないとイノベーティブとは言えないから、結果としてスピンオフベンチャーを創ってしまうかもしれませんね。

坪田 大いに目指して欲しいと思います!大学の研究者も一緒です。組織の中に安住するのではなく、革新的な技術はどんどん世に問う姿勢が必要ではないでしょうか。慶應の場合には副賞として起業支援をビジネス・スクールにお願いしましたが、今回はJSTのプレベンチャー制度であるSTART事業のプロモーターにお願いすることになっています。大学の研究者で起業を考えている方には、フィージビリティー・スタディーのための研究費も獲得できる機会になるかもしれない。

森下 まずは第1回目なので、いろいろなアイデアを幅広く応募してもらうのが良いのではないでしょうか。

福田 今回のコンテストの大きなテーマであるアンチエイジングにも触れていただけますでしょうか。最近はウエルエイジングという言葉もよく見かけますが、

坪田 アンチエイジングもウエルエイジングも元気で長寿を享受することを目指す理論的・実践的医学という意味では同じだと思いますが、我々はアンチエイジングで行きたい。「アンチ」です。

森下 「ウエル」ではなく「アンチ」ですか(笑)。

坪田 そうです。ウエルだとなんとなく改良という感じがします。もっと尖がってもいいのではないかと、アンチ既成概念だからこそイノベーティブなアイデアや成果が生まれるのではないかと思います。どんどん挑戦者に応募してもらって、勝ち残って欲しい。そんなコンテストになったらと思います。

森下 それと、どんな課題を解決したいのかがはっきりしている提案にして欲しいですね。例えば身近な人の何々を救いたいとか。病気でなくても欲求でも構いません。長生きするなら健康でいたい、普通の生活を送りたい、人生を楽しみたいという欲求です。そして同じ課題を抱えている人が世の中に大勢居て、ああそうだなと誰もが共感できるような提案だと素晴らしいと思います。

坪田 その通りですね。第1回だけに手探りではありますが、どんな応募があるか、夢が膨らみます。

福田 ところで、このコンテストは日本医師会に加えて経済産業省も後援していただけることになりました。

坪田 経済産業省は生涯現役社会に向けた取り組みを行っています。健康寿命と平均寿命のギャップを埋めるために私達医師や医学会が取り組んでいることだけではなく、例えば認知症と共生できる社会基盤をどう構築していくかなど、私達の学会、日本抗加齢医学会が果たさなければいけない役割がもっとあると思います。

森下 おっしゃる通りかと思います。超高齢化社会に進む日本の現状は待ったなしです。政府も公的保険外の予防・健康管理サービスを活用して、国民の健康寿命の延伸と新産業創出を同時に達成する官民連携を進めています。私達も現在の薬機法の枠にとらわれない柔軟な発想で、健康の増進に資する技術シーズの実用化を急いで考える必要があります。そして民間がやるからには社会貢献と同時に収益の上がるビジネスモデルでなければ長続きしません。基礎研究は大切ですが、全く新しい発見であっても、実用化・商業化の見えるプランでなければ今回のコンテストには勝ち残れないと思います。

坪田 医学会からのイノベーションですが、そこは学会発表とは一線を画して、このようなコンテストを行うこと自体がイノベーションを起すということですね。同感です。それと、先ほども言いましたように社会において抗加齢医学会が果たすべき役割は大きいわけです。その一環として、このコンテストに入賞されたプロジェクトのビジネス化に関しても、医学的な見地でのアドバイスや監修を必要に応じて用意したいと思います。

福田 医学会ならではですね。

坪田 そうです。新しいことに挑戦している人達を心から応援するコンテストにしたいと思いますので、できるだけ多くの学会員に応募していただきたい。同時に、学会員以外の方々にもこれを契機に当学会の活動に興味を持っていただくことを期待しています。
今回が第1回目ですが、長く続く企画にしたいとイノベーション委員会一同願っておりますので、皆様からの応募をお待ちしております。

福田 本日はお忙しいところ、坪田先生、森下先生、ありがとうございました。

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